更新:2002.09.21

■ビンのフタでする文化考

 昼下がり、あれほど母親を優先して声を聞かせてやれと言っておいたのに、またまたワイフの留守中にL.A.のセガレから電話。ったく、優しい配慮ってもんがないのかと怒鳴りつけてやろうと思ったら、「誕生日おめでとネ」だって。ひゃっは。相変わらず快適にやっているらしいし、音楽のこともぼちぼち本気で始めるらしいから、むしろこっちがウラヤマPゾと言っておいた。くっそ。
 ところで、先日のヌーヨーク帰りのJFK空港で鎮痛剤を買って再発見したのだが、薬瓶のフタってのが案外面白いもんで、国によってギョーテンするほどの違いがあることに気づいた。
 生前の義父の中国旅行土産の中心はムスメ(ワイフのこと)の装飾品と漢方薬で、とりわけあの有名な「六神丸」の薬瓶に興味をそそられた。小指の先ほどの小さいプラスティック製の薬瓶のフタの開栓はネジ式で、僕ら日本人が日頃慣れ親しんでいる右回しではなく、左回しで開ける。これには何度も開閉の機会があるのに、まるで慣れない。
 今回ヌーヨークで買った鎮痛剤のフタも、開けるまでに数分を要した。ネジ式、着脱式など考えられる方法をあれこれ試したのに、まるで開きやがらねぇ。フタは確かにネジれるのに、どうもネジ溝の感触がないのだ。数分後に気づいたのはフタと本体にそれぞれあるマークを合わせた上、強引に引き抜く方式だったということ。また、別途に僕が持っているアメリカ製薬瓶は、とりあえずフタを上から押してからネジ式に回すというもの。これも日本標準に慣れきっていた僕には、ちょいとした驚きであった。
 今回のヌーヨークでは日本と同じすべてのドアが駅到着後に自動開閉されたが、以前に滞在したメルボルンの電車で焦ったのは、到着後に降りたいヒト、乗りたいヒトが手動でドアを開けることだった。彼の地では締めることだけが自動なのだった。
 勝手に自分がスタンダードと思っていることが、異文化圏では決してスタンダードではないこと。それを知るのもやっぱり面白い。
●今日の1句  彼の国では瓶のフタまで左掛かっています
●今日のもう1句  降りたけりゃ意思表示しろ

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